公益財団法人かながわ健康財団
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お口の健康と喫煙(講演要旨)
歯科医師(社団法人神奈川県歯科医師会会員)
○ たばこと歯周病
・ たばこを吸うとヤニで歯や歯茎が黒くなります。これを気にする喫煙者が多くいますが、やに自体よりもやにが着きっぱなしになることによって表面がざらざらになり、食べかすや歯垢が着きやすくなることが問題です。そのため、むし歯や歯周病になりやすくなりますので、まめに、歯科で歯垢を取ってもらうようにする必要があります。いずれにしても、たばこを吸わなければやには着きませんので、禁煙することが大切です。

・ 歯茎は、たばこを吸わなくても29%の人に黒ずむ色素沈着が見られますが、喫煙すると89%に色素沈着が見られます。禁煙すると改善します。

・ 健康な人にも1〜2ミリの歯周ポケットがありますが、歯垢がたまると、その中の歯周病菌により、歯と歯肉とが離れ、歯周ポケットが深くなって行きます。悪化する過程で、非喫煙者であれば出血したり、腫れたり、口臭が出たりと自覚症状があるため、早く治療を始められるので、こわくない病気です。しかし、たばこを吸っていると血管が収縮し硬くなるので、出血しにくくなり、また、たばこによる口臭のため歯周病による口臭がわからず、治療開始が遅れることになり重症化してしまうことが多くなります。

・ 毎日1本でも吸っている喫煙者は非喫煙者に比べ約2倍、30本以上では約8倍歯周病のリスクが高くなります。
○ 受動喫煙による子どものむし歯
・ 親の喫煙により子どもの免疫力が低下し、父親喫煙の場合1.5倍、母親喫煙の場合2.3倍むし歯にかかりやすくなるという研究結果があります。

・ また、両親による受動喫煙により子供の歯茎の黒ずみが見られます。
○ 喫煙と口腔がんについて
・ 口腔がんはがんの2パーセントであり、珍しいがんですが、死亡率は50パーセントと非常に高く、治療が困難であり、予後も悪いがんです。

・ 喫煙者の口腔がんによる死亡率は、非喫煙者の3〜4倍であり、飲酒しながらの喫煙はさらに高くなることが知られています。
○ インプラント治療とたばこ
・ インプラント(人工歯根)治療では、毎日1本でも喫煙していると非常に予後が良くありません。これを行う場合には、まず禁煙する必要があります。

・ 歯科の立場からも、皆さんに是非禁煙していただくことをお勧めします。