かながわ健康財団
アイバンク・臓器

角膜・臓器移植について ※出前研修会のご案内

角膜移植について

● 角膜のこと
<角膜とは>
角膜とは、目の最も前のいわゆる茶目の前にある、透明な膜です。厚さは中央部で約0.5mm、周辺部の白目に近いところで0.7mm程度で、直径は11〜12mmです。
 目に入った光の焦点を合わせるための屈折は、水晶体(レンズ)で行っていると思われがちですが、目の屈折力の多くはこの角膜の部分で行われています。したがって、ごくわずかな変形や混濁が視力には非常に大きく影響してしまいます。
<角膜の構造>
角膜は約0.5mmの透明な膜ですが、その構造は大きく5層に分けられます。眼の表面から、角膜上皮細胞層:数層の角膜上皮細胞からできている層で、その表面は涙液により保護されています。上皮細胞は、細菌などの付着から眼を守っています。ボーマン(Bowman)膜:角膜上皮細胞層の基底膜となっています。角膜実質層:角膜全体のほぼ95%は、角膜実質層で構築されていて、ほとんどが繊維で形成されていてところどころに実質細胞があります。デスメ(Descemet)膜:角膜の構造の保持に重要な膜で、実質層の内側に位置しています。角膜内皮細胞層:角膜の最も内側にある、一層の細胞層です。蜂の巣の様な六角形構造をしているのが理想です。この細胞はポンプの役割をしていて、眼の中から角膜にしみてくる水分を、再度、眼の中に戻してあげる役割をします。しかし、内皮細胞の機能が衰えてくると、角膜中に水分が溜まる状態になります。この病気を水疱性角膜症と呼びますが、現在、我が国で角膜移植を受ける患者さんの中で最も多い疾患です。
 
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● 角膜移植
角膜移植とは、角膜が外傷や感染症、遺伝的疾患などにより透明性を失ったり、変成や変形により目のフィルムに当たる網膜に、像を結ぶことができなくなった場合に行われる手術のことです。大きく2通りの方法があります。変成や混濁している箇所が浅い場合には、患者さんの角膜の表層を交換する、表層角膜移植手術を行います。しかし、全体が濁ったり変性を起こしている場合には、全体を入れ替える全層角膜移植手術を行う必要があります。

移植に使う透明な角膜は、亡くなられた方の献眼等を受けて摘出した角膜を使用します。角膜さえ透明であれば、近視や乱視でも大丈夫です。
ただし、白内障等が進行しているケースや、感染症の恐れがある場合、また、変死の場合は移植に用いることができないこともあります。 
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● 角膜移植の効果
全ての視力障害者が、この手術によって視力を回復できるわけではありません。網膜や、神経系の病気で失明した人は残念ながら適応外です。角膜が濁ったり、変形したために見えなくなった人のみ適応です。手術の成功率は90%以上ですが、術後の拒絶反応に対する十分な治療が必要です。

臓器移植について

臓器移植とは、重い病気や事故などにより臓器の機能が著しく低下した人に、他者の健康な臓器をご提供いただき機能を回復させる医療です。
善意による臓器の提供がなければ成り立ちません。
日本で臓器の移植を希望して待機している方は、およそ14,000人です。それに対して移植を受けられる方は、年間およそ400人です。

臓器移植のあっせんについては、死後に臓器を提供したいという人(ドナー)やその家族の意思を活かし、臓器の移植を希望する人(レシピエント)に最善の方法で臓器が贈られるように橋渡しをする日本で唯一の組織であるのが日本臓器移植ネットワーク(JOT)です。


※ 生体移植にJOTは関与しません。診察から手術まで、移植手術を行う医療機関と患者の間で行われます。 海外渡航移植も同様で、医療機関と患者の間で診察から手術まで行われます。




詳しくは、公益社団法人日本臓器移植ネットワークのホームページをご覧ください。
お問い合わせページは こちら

出前研修会等のご案内

【出前研修会等のご案内】
●出前研修会
アイバンク・臓器移植推進本部では、臓器移植、角膜のご理解を深めて頂くために「出前研修会」を実施しております。 費用のご負担はありません。お気軽にご連絡ください。
(例 アイバンクについて、献眼・献腎について、臓器移植等について)

●いのちの学習会
高校生や看護学生の皆様を対象に、移植医療の現状や臓器移植医療について正しい知識を伝えるため、「いのちの学習会」として県臓器移植コーディネーターを派遣しますので、ぜひ御活用ください。
お問合せはこちらまで 045-242-3961

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