かながわ健康財団
がん対策

がん患者会情報交換会

がん対策推進本部では、がんに関して同じ病気や障害、症状など、何らかの共通する患者体験を持つ人たちが集まり自主的に運営されている「患者会」が一堂に会し、情報交換を行い、がん患者がより質の高い生活を送ることができるよう、がん患者支援を目的とした情報交換会を開催しています。


【令和5年度 がん患者会情報交換会】

日 時:令和6年1月8日(月)祝 13:30〜15:50

対 象:がん患者団体等58団体
(1) 神奈川県ホームページに掲載されているがん患者会の登録団体27団体
(2) 患者サロン31団体

出席状況:28団体、40名のご参加がありました。
2024年1月8日、横浜市中区の神奈川県民ホール大会議室にて「令和5年度がん患者会情報交換会」を開催いたしました。今回は国立がん研究センターがん対策情報センター副本部長の若尾文彦先生を講師にお招きし、グループ・ネクサス・ジャパン理事/全国がん患者団体連合会理事長の天野慎介さんに座長を務めていただき「第4期がん対策推進基本計画」とそれに基づいた「神奈川県第3期がん対策推進計画」について話し合いました。がんサロンを運営されている医療従事者の方にもお声をかけ、過去最大の28団体40名の皆様にご参加いただきました。当日は時間が足りなくなるほど濃密な議論が深まり、会の途中には北里大学医学部付属新世紀医療開発センター教授の佐々木治一郎先生も駆けつけてくださいました。

若尾先生からは、がん患者や家族の声を受けて国を挙げてのがん対策推進事業の法整備が進んできたことがまず伝えられ、今回の「第4期がん対策推進基本計画の概要」についてお話がありました。
第4期の全体目標は「だれ一人取り残さないがん対策を推進し、全ての国民とがんの克服を目指す」であり、「予防」「医療」「共生」の三本の柱に対して個別の目標が設定されていること、計画を実施することによってどんな変化が県民の皆様にもたらされるかをさらに明確にして進捗管理をPDCAサイクルで行うための「ロジックモデル」を活用して作成されていることが伝えられました。
これを受けて天野座長からは「がん検診の在り方」「がんとの共生など数字で評価しにくい指標の目標設定」の課題提示があり、参加者からも「患者・市民参画の推進と情報開示の実態」などについて質問がありました。

若尾先生講義資料)(PDF)


次に県より「神奈川県第3期がん対策推進計画」について情報提供がありました。
第2期で掲げた目標があまり達成できていない現状を踏まえて、
「県民一人一人ががんについて正しく理解することで偏見をなくし、がんと向き合い、支えあうことができる社会を構築し、がんを克服する」を全体目標とすることが伝えられました。具体的には「がん検診受診率を60%に引き上げる」をはじめとして「医療機関同士の連携を支援する事」や「ピアサポーターの充実を図ること」などが盛り込まれていると説明がありました。その上で、1月13日まで県がパブリックコメントを募集している事が伝えられ、ぜひ意見を届けてほしいと伝えられました。

神奈川県説明資料)(PDF)

第2部では、再び若尾先生が登壇され、県の計画を「必要と思われる項目が含まれているか」「具体的に記載されているか」「測定・評価し、改善につなげる事が出来るか」という視点でみると、どのような意見を伝えればよいかが分かるとお話がありました。

若尾先生講義資料)(PDF)

その後、参加者が5グループに分かれて神奈川県の計画について考えるディスカッションを行いました。
各グループからは
・がん患者の個別性に合わせて必要な時に必要な資源を患者が選択し、アクセスできるように支援を整えてほしい。
・企業に向けたがん教育も行ってほしい
・第2期の未達項目を第3期計画に反映されているかが見えにくい
・AYA世代のがん患者への支援をもう少し考えていただきたい
・ピアサポーター同士の連携支援をお願いしたい
など、様々な意見が上がりました。

これを受けて若尾先生からも「これらの意見をパブリックコメントとして県にとどけていただきたい」と講評があり、佐々木先生からは「ピアサポーターと医療機関の連携が計画されている。今後神奈川県を日本に注目される県にしたいので、患者会の皆様の力をぜひ貸してほしい」とお話がありました。

神奈川県のパブリックコメントの結果及び、神奈川県がん対策推進計画につきましては、以下のリンクよりご覧いただけます

●「神奈川県がん対策推進計画」改定素案に関する意見募集の結果について こちら
● 神奈川県がん対策推進計画 こちら

大変分かりやすい若尾先生の講義と天野さんのスムーズな進行で進んだ第1部、参加者の皆様の熱い議論が交わされた第2部は例年にない盛り上がりを見せ、参加者からも有意義な時間だったと感想をいただきました。その一方で時間に十分な余裕がなく「もっと話したかった」「患者会同士の交流の時間も欲しかった」というご意見も多数いただきました。今後も、かながわ健康財団は、患者会・がん相談員・医療機関等がん患者を支える様々な立場の方々が交流を深められるような場を作ってまいりたいと思います。

令和5年度がん患者情報交換会

過去の「がん患者会情報交換会」は こちら
space

ピアサポーター研修

 がん患者の方やそのご家族に対する支援は、医療者などによる専門的な医療の対応が大きな位置を占めますが、一方がん患者同士が経験や精神面を共有することによるサポートも、患者や家族にとっては大きな助けとなります。
 こうしたことから当財団は、神奈川県、保健医療関係団体、日本対がん協会と連携協力しピアサポーター研修を開催します。
がん患者の方やそのご家族にとって、同じような経験を持つピアサポーターに相談できる機会があることは大きな助けとなります。
今回は、2024年3月9日〜10日、神奈川県がん患者団体連合会、日本サイコオンコロジー学会の協力を得て、神奈川県と共に「第1回神奈川県ピアサポーター養成研修会」を開催しました。
当日は25名の方が参加され、
ピアサポーターの役割やがんの基礎知識などの講義の他、グループワークやより良いコミュニケーションのためのロールプレイ等、2日間にわたって大変熱心に取り組んでいらっしゃいました。
今回受講された皆様には、神奈川県より「認定証」が授与されました。

2024年3月9日10日ピアサポーター研修写真

space

過去のピアサポーター研修

【日 時】
〔基礎編〕平成31年3月16日(土)10:00〜17:00
〔実践編〕平成31年3月24日(日)10:00〜16:00


【会 場】 神奈川県総合医療会館 2階 会議室
(第1回 基礎編)2019年3月16日(土) 10:00〜17:00
(第2回 実践編)2019年3月24日(日) 10:00〜16:00
(第1回 基礎編)講座内容
1 オリエンテーション
講師:公益財団法人日本対がん協会 横山光恒 氏
1)受講のきまりと講座の進め方
2)ピアサポート活動について
3)参加者自己紹介(1人2分程度)
4)経験を語り、みんなで聴こう

2 患者サロンって何だろう
講師:北里大学病院 集学的がん治療センターセンター長 佐々木治一郎 先生
1) 患者サロンってなに? 
2) 患者サロンの開催準備
3) ファシリテーターの役割
4) 患者サロンの限界を考える

3 みんなで話してみよう
1)個人情報の取り扱いについて
講師:公益財団法人日本対がん協会 横山光恒 氏
2)参加しやすい患者サロンを考えよう(グループワーク)
3)グループでトークしてみよう1(グループワーク)
4)実際にある事象から学ぶ(グループワーク)
5)振り返りとは
(第2回 実践編)講座内容
4 がんピアサポート活動の基礎
講演「話を聴く・こころを支える」
講師:東京医科歯科大学 医学部附属病院 診療科 内科系診療部門 血液内科 特任助教 
坂下千瑞子 先生

5 グループワーク
1)運営者として注意すること
講師:一般社団法人グループ・ネクサス・ジャパン 理事長
   一般社団法人 全国がん患者団体連合会 天野慎介氏
2)グループでトークしてみよう2(グループワーク)
3)相談記録票を作成してみる (グループワーク)

修了ガイダンス・修了証授与式公益財団法人かながわ健康財団
2日間に渡り、座学、グループワークを交え、がんサロンのファシリテーターの研修を行いました。
  • 横山光恒氏 講義風景

    日本対がん協会 横山光恒氏 講義風景
  • 佐々木先生講義風景

    北里大学病院集学的がん治療センター
    センター長 佐々木治一郎 先生 講義風景
  • グループワークの様子

    グループワークで付箋を使いながら意見を集約しました。
  • 東京医科歯科大学病院坂下千瑞子先生

    東京医科歯科大学医学部附属病院 診療科 内科系診療部門 血液内科 特任助教 坂下千瑞子 先生
  • グループ・ネクサス・ジャパン理事長 天野慎介氏

    一般社団法人グループ・ネクサス・ジャパン 理事長 天野慎介氏

がん教育

準備中です。

PageTop